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霞ヶ浦のことは地元の漁師さんに聞くのが一番である。この方は、70歳を少し過ぎたくらいだろうか。自分が若かった頃の霞ヶ浦は、2〜3メートルの湖底まで透き通って見えるほど水が澄んでいて、魚を簡単に突いて獲ることができたそうである。その頃は弁当を持って舟に乗り込み、一日中漁をしていた。弁当を食べる時は、湖の水をそのまま汲んでご飯にかけて食べたりした。この辺は地下水の水質が悪いため、むしろ霞ヶ浦の水の方が綺麗だったという。湖の護岸工事によって水生植物が姿を消し、そして下流の堰の建設によってますます水質が悪化した。
「今頃になって植物が大事だと気がついて増やし始めているが、きっと元にもどるのに少なくとも30〜40年はかかるだろうなぁ・・・」
この湖には巨大な鯉がいる。あるとき網を引き上げていると、ずっしりとした重みを感じた。とっさに「土左衛門だ!」と思ったそうである。「いやだな・・・」と思いながらも放っておくわけにもいかないので、仕方なく引き上げるととてつもない大きな鯉が上がってきた。「うろこの大きさはこれくらいあった」と、手で作った輪の大きさは5cmは楽にある。あまりの大きさに「この湖の主に違いない」と思い、その場ですぐに放してやったそうである。今では網を張っても、入ってくる魚はブラックバスとアメリカナマズばかり。この地区の漁師は同世代の数人しか残っていない。ウナギを獲っても売るほどはない。漁で生計は成り立たないという。
「しかしまぁ、宇都宮からわざわざ鯉を釣りに来てるんかい。でもきっと楽しんだろうな。ま、頑張ってな!」
このポイントに来ると、必ずポンプ小屋の作業が終ってから少し話し込んでいく。気さくな方なので、私もつい聞き入ってしまう。
この日は結局アタリがなく、いつものように本を読んだり昼寝をしたり気ままに過ごす。夕方は早めに食事の支度にとりかかり、日が沈むころには外で夕食を済ませた。食後のコーヒーを飲み終わった7時頃、3番竿に61cm、さらに夜9時半、今度は2番竿に60cmがヒットした。
これで1番から3番竿まで1本ずつアタリが揃ったことになる。今夜は活性が高いと期待したが、その後はパッタリとアタリが途絶え、朝を迎えた。今日もポンプ小屋の作業を終えた漁師さんと挨拶する。気温がどんどん上昇してくる。午前10時までのゴールデンタイムを待ったが、アタリがないためキッパリと諦めて竿を撤収。
霞ヶ浦と利根川にそれぞれ入釣した秋田さん、煮込みマッチョさんに携帯で連絡してみる。秋田さんは1本ゲット。マッチョさんはアオウオをゲットとそれぞれ楽しんでいるようだ。9月には皆とオフ会で会えることを祈りつつ、宇都宮に向かって車を走らせた。
(終) |