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竿掛け工房 / 第3工房:オリジナルピトン2号
ピトンは取りあえず3本つくりました。一度に全部つくるより、まずは半分つくって試してからまた作ろうと考えたのでした。両軸リールタックルも無事揃え、暫くピトンを使ってみました。作った時はこれで満足と思っても、やはり実際に使ってみると、またまたいろんなことがわかってくるものです。

 

写真は足の頭の部分です。写真でおわかりでしょうか? テッペンの中央部がわずかにくぼんでいます。これは、地面にさすときにプラスチックハンマーでたたいたために変形してきたものです。機能上は全く支障ないのですが、ずーっと使う道具ですから、次に作るときにはわずかな事でも改良しておきたいものです。
 

もう一つ気になる事がありました。次の写真の中に赤矢印で示した板は厚さ4ミリのステンレスでできています。これをブチ曲げる鯉などいるとは思えないのですが、万が一のことを考えて、厚みを増しておいた方がいいような気がします。例えば4ミリを5ミリ(1.25倍)にするだけでなんと厚み方向の強度は2倍にもなるのです。
 
 
そんなことを考えているある日、霞ヶ浦で私のピトンを見たぼらひでさんが、是非同じ物を作りたいと言い出しました。改良版を考えていた矢先でしたので、即OK! 足のテッペンは分厚い板で塞ぐようにし、赤矢印の板は、5ミリの材料が製作所にあるとのことなのでこれも問題なし。その他に、竿尻受けは小笠原に合わせて作ってあったので、ぼらひでさんの野鯉の石突に合わせる必要があります。
写真は、私のピトンにひでさんの野鯉の石突をつけたところです。野鯉の石突は大きく、溝の幅も深さも小笠原より大きいのです。この溝の幅、深さに合わせてピトンをカスタマイズすることにしました。
 
 
次の写真をご覧下さい。石突きの溝に入る部分を二重に重ねて、深いの鯉の溝に完全にはめ込む事ができるように改良しています。さらに、製作所の社長の厚意で、同じ値段でセンサーステイの位置もスライド調整できるように改良してくれました。こうしてできた改良版ピトン6本と、タモ用ピトン1本の計7本をひでさんに引き渡したのでした。

 

ところが、後日ぼらひでさんからトラブル報告がありました。センサーステイのスライド固定ネジの溶接が弱く、使用中に壊れてしまったそうです。下の写真右に見えるセンサーステイと対面にある小さなネジです。すぐ無料で製作所に修理してもらいましたが、これはもっと大きななネジにするか、あるいはスライドをやめて固定にしてしまったほうがいいようです。(やはりシンプルに勝るものはない・・・)
 
こうして改良型ピトンが完成するやいなや、ひでさんから荒川の護岸でこのピトンを使えるようにパーツを作りたいという依頼が来ました。今回はひでさん自らアイデアを図面化してくれたので、私の方は詳細の詰めだけを行って図面化しました。それを製作所に持って行き、加工上の問題がないかどうか確認したところ、すんなりOK! できあがったのが写真のU字型フォークです。

 

 

荒川護岸用ピトンパーツφ12mmのステンレス丸棒をU字に曲げた物に、ピトンの角パイプ足を刺し込んで固定できるようにしたものです。さらに、前回作ったピトンの足は1mでしたので、荒川バイク釣行で楽に運べるように70cmタイプも追加しました。
後日、ひでさんから実釣テストの感想が届きましたが、「使い心地は最高、足が太い為ぐらぐらしない!」とのことでした。おそらく市販のフォークでφ12mmのものはこれまでなかったと思います。
 
結局オリジナルピトンの足は下の写真のパーツの組み合わせでできるシステムとなりました。ヘッドは前の第五工房に掲載したように、竿用とタモ用の二種類あります。
これだけ揃えておけば、もし今後竿が変わったとしても、石突部分のパーツのみ取り替え可能ですから最小限の変更で済みます。
 

(注)水郷地帯におきましてはすでに護岸にフォークを刺す行為は禁止されておりますのでご注意ください。
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