welcome to

mi○'s room

mi○のワクワク・プチサイエンス

日常の釣りを通して感じたことや気になったことを、少しだけ「科学技術風」に考えてみようとするページです。難しい理論は抜きで、釣り人としての視点から楽しく考えてみましょう。


<第5科学館> 釣りバリの科学(1)


釣り具店で数々のハリを眺めていると、その中に「ハイカーボン」と書かれているものがあります。これは釣り人の心理を実にうまく突いた表示です。釣り人が最も重視するタックルは、言うまでもなく竿です。その竿の素材はカーボンファイバーで、カーボン率が高いほど高価で、性能がいいというカーボン崇拝の心理が出来上がっているわけです。ハリに「ハイカーボン」と書くと、何かわからないけれど良さそうな気がして、思わず手が伸びてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

では実際のところ、ハリにおけるカーボンとはどんな役割を果たしているのでしょうか?釣り人にとって身近な割には意外と知らない、釣りバリに秘められた科学についてお話してみたいと思います。
 

[写真1] 釣りバリの各部名称 [写真2] 釣りバリのひねり


釣りバリの形状
まずはじめに、この後の説明をわかりやすくするために、釣りバリの各部名称を写真1に掲載しておきます。必要に応じて、この名称を見ながら読み進んでください。

チモト
私どもが普段使っているのは、写真1のような「叩き」と呼ばれる形状で、プレス加工で作られることに由来した名称です。この他に「環付」という、環状に曲げ加工したものを愛用している方も多いと思います。欧米のハリは環付が一般的なようです。

かえし
フッキングした後に、ハリが抜けないようにするために「かえし」があるというのが現代の定説ですが、そもそも古代人は、生きエサがハリから脱落しないように付けたという説があります。かえしが付かないハリをバーブレス、あるいはスレバリと言います。鯉のダメージ軽減のため、バーブレスを使う方も徐々に増えてきました。

イケ先
写真1のように、ハリ先がチモトの方向にゆるやかに曲がったものを「先曲げ」といいます。これに対して、イケ先が真っすぐなものを「尖頭先」、逆にイケ先を極端に軸側に曲げたものを「ネムリ」といいます。鯉釣りではチヌバリやフカセバリなどを代表とする「先曲げ」が一般的ですが、海津バリは「尖頭先」です。

ひねり
写真2の方向に曲げたものを「ひねり」と言います。逆に曲げた場合は「カネリ」と言うそうです。曲げのないフラットなものを「ベタ」と言います。ぶっ込み釣りで使うハリはほとんど「ひねり」が入っていますが、ウキ釣りで使うスレバリなどは「ベタ」です。「ひねり」を入れてハリを3次元に曲げた形状だと、ハリがどんな姿勢になってもハリ先が必ず鯉の口内に当たりますので、ぶっ込み釣りの向うアワセでもフッキングしやすいと考えられます。

釣りバリの材料「炭素鋼」
釣りバリは炭素鋼でできています。炭素鋼とは聞きなれないかも知れませんが、これは金属学用語で、日常では「鉄鋼」「鋼(はがね)」「スチール」と呼ばれています。つまり、日常生活で使用されるものの中で鉄でできていると思っているものは、ほぼすべて炭素鋼であると思って間違いありません。炭素鋼とは一口でいうと鉄と炭素の合金の総称で、逆に純粋な「鉄」は日常生活では見かけることはありません。

次回は、この炭素鋼について少し詳しくお話します。
 


Copyright (C) MCF Japan. All Rights Reserved