<< PREV  |  MENU  |  NEXT >>
フォトスタジオ / Aスタジオ:釣りと写真について考える

世間には様々な HOW TO 本が溢れていて、写真撮影に関しても例外ではありません。写真撮影法なるジャンルにおいては、芸術作品を目指すマニア志向の書物から、子供の誕生日や運動会など日常的なイベントを記念に納めておくことを目的とした一般大衆向けの入門書まで幅広くあります。入門書をひも解くと、カメラの操作方法から始まり、ライティングやフレーミングに関する解説、さらにはシャッタースピードや絞りの操作による背景のぼかし方、あるいは広角レンズ、望遠レンズの効果に関するあれこれなど、本を読んだだけでもう一人前のカメラマンになれそうな気になるほどの充実ぶりです。
 
さて、釣りと写真について考えてみますと、古くは大物が釣れると魚拓をとってその記録を保存する方法が取られてきましたが、キャッチアンドリリースが定着してきた現代においては、魚へのダメージ軽減とお手軽さから写真を撮って記録を保存することが主流になってきました。とりわけ近年ではデジタルカメラの普及にともなって撮った写真がその場で見られるだけではなく、携帯電話で即座にデータ送信が可能になっています。釣り道具のひとつとしてカメラを携行することは、ごく当たり前のこととなってきました。
 
しかしながら、釣り場においてカメラの活躍がこれほど一般化してきたにも関わらず、その写真撮影法について解説した書籍はめったにお目にかかることがありません。さらに鯉釣りとなると、専門書籍すら僅かであり、写真に関しては私が知っている限りでは「大ゴイ倶楽部’99春号(廣済堂出版)」において3ページの紙面をさいて掲載したに過ぎません。カメラが高性能化したおかげで、面倒な撮影方法に関する知識などもはや必要としなくなりましたが、記念すべき巨鯉を満足できる写真として残す事ができるよう、これまでの私の経験と独断をこのコーナーに掲載することにしました。
 
ところで、巨鯉写真を上手く撮ることができるようになっても困った事がひとつ残ります。それは自分が鯉を持った写真は他の人に撮ってもらうしか方法がないということです。セルフタイマー撮影はあるとしても、厳密なフレーミングをするのはかなり難しいので、やはり他の人にお願いすることになります。しかし、上手に撮るためのいくつかのポイントをおさえてさえいれば、撮影をお願いする場合でも比較的簡単に伝えることができるでしょう。また釣り場ではいつ何時撮影を依頼されるかわかりませんので、鯉師としては巨鯉の上手な撮影テクニックぐらいは身につけておきたいものです。
 
Bスタジオからは、実際の巨鯉写真を例に、いくつかのポイントを解説していくことにしましょう。

<< PREV  |  MENU  |  NEXT >>