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メカニズム / パーツ数から見る7000シリーズ

今回から、メカニズムに話題を移したいと思います。メカニズムを比較するためのひとつの切り口として、パーツ点数が挙げられます。メーカーのホームページで公開されているパーツリストから、使用されている部品数をカウントして比較してみます。詳しく言うとパーツの総点数ではなく、例えば同じネジが3本使われている場合は1点とカウントして、部品の種類をカウントします。
 
対象はABU Ambassadeur7000CL、7000、7500C3、ダイワ巨鯉40W、トーナメント石鯛Z40、そしてシマノ海魂EV3000T、野鯉3000SPの7機種です。下のグラフに機種ごとのパーツ数、表には機種ごとのパーツ数、重量、そして各種機能の有無をまとめました。
 
グラフをご覧ください。ABU3機種は、他のダイワ精工、シマノのリールと比較して、圧倒的にパーツ数が少ないことがわかります。機能の有無によってパーツ数が増減する可能性がありますので、表に機種ごとの機能を比較してみました。
 

[グラフ] ベイトキャストリールのパーツ数比較

 

[ 表 ] ベイトキャスティングリールのパーツ数・重量・機能比較


ABU3機種は、他の機種には搭載されていないレベルワインド、オートリターンクラッチ機構が搭載されています。その代り、ラインカウンターはABUにはありませんが、ダイワ精工・シマノのリールには搭載されています。シマノ2機種に関しては、他の機種にない根掛かりしたラインを切る時に便利なスプールロック機構が搭載されています。
 
ABU3機種がラインカウンターが搭載されていないことがパーツ数が少ない原因ではないかと思い、パーツリストを確認しましたが、ダイワ精工・シマノいずれもデジタルカウンターはモジュールを1個としてパーツリストに記載していますので、この機能の有無はパーツ数の多い少ないにはあまり影響していないことが確認できました。
  
現在どのメーカーも、リールのパーツリストと分解図をホームページで公開していますので、興味がある方は見ていただきたいと思います。ABUの部品は他社に比べて、パーツ構成が極限まで簡素化されていること、それによってボルト本数が圧倒的に少ないことが一目でわかります。その結果として、誰でも容易に分解してメンテナンスを可能にしています。また、構成パーツが少ないことは、品質のばらつきが少なく、トラブルの発生確率が低いことの大きな要因となっています。
 
1952年にAmbassadeur5000が発売されて以来、基本的なメカニズムをほとんど変えることなく継承して現在に至るAmbassadeur7000シリーズは、洗練されたメカニズムにより長く釣り人に愛されています。

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